「ぼろ儲け経済学」

 「ナニワ金融道」の青木雄二の本。ナニワ金融道は知らないことばっかりでいろいろ勉強になる漫画だった。全部はまだみていないのでいつか一通りは見てみたいと思っている。その青木雄二はこの手のゼニにかかわる本をいくつも出していて暇つぶしにときどき読んでいる。この本もそういった本だ。まあ書いていることはどれも同じようなものだ。
 今回面白かったのは私鉄関連の建築業者は信頼できるということ。山陽新幹線のコンクリート海砂を使っていて耐久性などに問題があるというのはず〜いぶん前に読んだ本やNHKの番組でもやっていたと思うので知っていたが、JRのような最後にはお上に頼る道がある会社はやはり甘い。ところが私鉄は安全問題が発覚すれば自社の死活問題になる。だから建設現場でもコンクリートの強度がしっかり上がるまで枠をはずしたりはしない。本人が建設現場で実際に体験したことのようなので信用できるだろう。
 結局、トヨタでも私鉄でも自分が下手すれば自社がつぶれるという危機感をもっている組織は健全だということだ。健全でない会社もあるがそういう会社はつぶれていく。しかし電力会社や銀行や公務員などは下手をしてもつぶれないので役員や職員がそういった危機感をもつことはないのだ。その結果自らの頭を使わない前例踏襲主義に陥り、事故や破綻があっても改善もされない。下手をすれば自らの組織がつぶれるという形に制度設計を変更しなければ今後もこういった問題は続くだろう。

ボロ儲け経済学―ゼニのカラクリ明かします (知恵の森文庫)

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