原発と尖閣と経済と

原発ゼロを閣議決定しようとしたら各方面の反発が強くて断念したようだ。私はゼロであるかどうかには興味がないのでどうでもいいのだが。ところで一般に原発ゼロの反対理由は電気代が高くなるとか燃料費の海外流出が問題だとかという経済的理由で説明される。ところが一方、今回の尖閣諸島問題で日中間の関係悪化が経済に大きな影響を及ぼしている。尖閣で騒いでいるのは中国だが、火をつけたのは石原都知事尖閣購入をしようとし、対抗した国が買ってしまったからだ。石原都知事原発賛成だが、このような現代日本に経済的打撃を与えるようなことをなぜするのか。つまり領土問題は経済問題に優先するのだ。原発を優先するか尖閣を優先するか経済を優先するかは価値観の問題だ。経済を理由に原発問題を処理する必要はない。ただ、兵器ということに関していうとこの問題は結びつく。原発を動かしプルトニウムを取り出し核兵器をいつの日か作れるようにするというひとと、尖閣を国有化し、中国を軍事的に排除しようという人と、その軍需に応じて儲けようという人とは同じかも知れない。経済三団体原発ゼロに猛反発して会見を開いたが、尖閣問題に反発したという話は聞かない。経済団体とはそういう輩なのかも知れない。経済は今日明日食っていく上では大事だが、国の方針を決めるときに経済を重視しすぎると道を誤ることになる。