原子力規制委員会

 原子力規制委員会原発再稼働判断はしないと宣言した。規制委員会は安全かどうかを判断するものであり、稼働するかどうかは電力需給等他の要因がからむので職務の範囲外と考えたようだ。保安院は安全審査して安全確認をしたあと、安全だから稼働してくださいと地元にお願いした。その結果、危険箇所が見つかって安全対策をしたいと思っても、自らが稼働を頼んだ手前、安全ではなかったと言えなくなった。安全かどうかの判断と稼働するかどうかの判断は切り分けないと、諸事情が安全確認の判断を誤らせる圧力となる。規制委員会の稼働判断しない宣言は正しいと思われる。筋を通す姿勢こそこういった組織に必要なものなのだ。ちょっと期待できるかもね。
 一方、建設中の原発の工事が再開するようだ。そういうことに規制委員会はタッチしないだろうし、政府もそれを止める根拠を持たないなら、それは電力会社等の判断ということになる。規制委員会や政府がだめと言わなくても将来的に政治的に動かせなくなる可能性はある。そのリスクを誰が引き受けるのだろうか。一方、規制委員会がうまく動いて原発の信頼を取り戻すことができれば原発ゼロ政策もかわるかもしれないし、その場合には将来の電力のために原発はあったほうがいいことになる。安全に自信があるのならその判断もいいかもしれない。しかし廃棄物問題はどうするのだろう。自らの責任で原発を作るなら廃棄物処分まで責任をもってもらいたいものだ。都合のいいところだけ責任を国に押し付け、儲けだけねらうような会社はいずれ墓穴を掘って自滅するだろう。