原発の経済性

原子力規制委のメンバーが国会で承認され、すげ替えられるだろうという自分の予想ははずれ、最初の危機は脱したようだ。一方、規制委が予想より厳しいため原発再稼動が遅れ、規制委批判が強まっている。そういう人は燃料費が年間3兆円よけいにかかるから不経済だといってるわけだが、ついこないだ原発は事故をおこしてその賠償は10兆円をこえるとか言われているわけだから、なにが不経済かといえば原発事故が一番不経済なのは明らかだ。一番経済的なのは安全対策もしないで原発をフル稼働することだが、それが事故前の状況だ。原発事故はもっとも経済的な状態からもっとも不経済な状態につきおとしたわけである。しかし、それは運が悪かったわけではなくて、あの高さの津波がきたら必ず起きることが起きただけだ。だからまた安全対策なしで原発フル稼働なんかすれば原発事故をまた起こしますといっているのと同じだ。次の選択肢は何かというと一番不経済な原発事故を避けるのにもっとも有効な手段、原発を再稼動しないことだ。さらに経済的なのは事故を起こさないよう対策した原発を動かすことだ。また、時間的な選択肢もある。今は動かすけど事故が起きないうちになるべく早くゼロにしますというもの、今は動かさないで完璧な対策をしてから動かすというもの。私は絶対事故を起こさない対策を十分したうえで長く動かすのがいいと前に主張した。この主張で言えば早期再稼動は不経済なのだ。規制委が厳しければ厳しいほど結果的には経済的になると思う。