オオカミ少年

アゴラで脱原発急進派をオオカミ少年に例えたエントリーがあった。エントリーの趣旨はちょっと違うが、原発問題をオオカミ少年に例えるというのは結構面白い。
wikipedia「嘘をつく子供」によるとこのお話は
「羊飼いの少年が、退屈しのぎに「狼が出た!」と嘘をついて騒ぎを起こす。大人たちは騙されて武器を持って来るが、徒労に終わる。少年が繰り返し嘘をついたので、本当に狼が現れた時は大人たちは信用せず、誰も救援に行かなかった。そのため、村の羊は全て狼に食べられてしまう。」
オオカミが食べたものは羊の場合と少年自身の場合とがあるようだ。どちらかによって教訓が変わってくる。食べられたものが少年自身であればこの話の教訓は嘘をつくと自滅するということになる。しかし食べられたものが羊であれば、少年以外の情報を持たないのにオオカミ対策をしなかった大人の危機管理の不備ということになる。エントリーの著者は前者の意味で使ったのだろうが、原典は上記のように後者なのでこの話題を原発問題に当てはめると危機管理の不備を示唆することになる。例えばこんな感じ。
「反原発団体は原発は危険で事故がおきると騒ぐが事故は起きなかったので大人たちは信じずに事故対策を講じなかった。そして地震津波が本当に来たときにはなすすべはなく国土は汚染された。」
逆バージョンも考えられるかな。嘘をつかない子供。
「羊飼いの少年は「オオカミは出ない」と嘘をついた。しかし実際にオオカミは出なかったので大人たちはそれを信じ本当にオオカミは出ないと思ってオオカミの備えをなにもしなかった。しかしオオカミは出て村の羊は全てオオカミに食べられてしまう。」
安全神話がこれに相当するだろう。教訓的ですね。
大切なことは子供が嘘をつくかつかないかではなく、村の羊がオオカミに食べられないための実効的な対策をとることだ。村の大人がそれをまじめに考えていれば少年の嘘はオオカミ対策訓練としてはまさに最適なものだったに違いない。子供はなにも悪いことはしていなかったのだ。