「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

技能試験13問は一通りやったので久しぶりに読んでみた。2回目。やっぱり面白い。よくできたケーススタディであり、経営の話を非営利の部活に適用するという冒険があり、女子マネという言葉とマネジメントという言葉のギャップを正面から捕らえた面白さあり、ツボにはまっている。さてみなみは具体的にはいったい何をやったのか。まず野球部を感動を与える組織と定義し、そして顧客としてもっとも身近なのは部員であることを発見する。そしてマーケティングとして部員の本当に求めていることを「お見舞い面談」と称して調査する。それは入院中の夕紀にやりがいと責任を与えるものでもあった。次に話の通じない監督に文乃を通訳としてつけ部員がやる気になる練習メニューそして部内チームを作った。それは監督と文乃の能力を生かすことでもあった。各チームには担当を決め責任者を作りチームごとに競わせた。それは各人の強みを生かすものだった。そして対外的なイノベーションとしてノーバントノーボール作戦を推進した。野球部のマネジメントのノウハウを他部に教え、他部からはその強みを生かす野球部の指導や協力をしてもらう等対外的な活動を行った。女子不良分子を女子マネとして入部させ、他校の動向調査を行った。これらがドラッカーのマネジメントの記述をもとに行われた。しかし記述と直接結びついてはいない。具体的行動と記述されている哲学があいまって成果をあげている。記述を読むだけでは応用は難しいと思う。具体的物語とドラッカーの記述をリンクさせているのがやはりこの作品のいいところだ。勉強になりますね。