ネガティブエミッション

気候変動対策の必要性が叫ばれているが、ちゃんと対策するにはCO2排出削減だけでは無理で、大気中のCO2を捕獲して貯留することが必要なようだ。これをネガティブエミッションというらしい。意味はマイナスの放出ということでつまり、放出したものを捕まえるということだ。人工的には難しいらしいが、植物は光合成でCO2を吸収して有機物として貯蔵している。

今は木材などを燃やして発電することをバイオマス発電と言って、もともと大気から吸収したCO2だから燃やして大気に戻してもCO2排出にカウントされず、気候変動対策の方法の一つになっている。FIT制度ではバイオマス発電からの電気を20年間高く買い取ることになっていて、それを目当てに輸入木材を利用したバイオマス発電所がたくさん作られている。しかし、これはせっかく植物がネガティブエミッションやってくれたのにそれをエミッションしちゃってプラスマイナスゼロにする行為。結局はCO2は放出され、そのCO2が再び捕獲される保証はない。森林は世界的に減少しているからだ。

せっかく植物がCO2を固定化してくれたんだから燃やさず、さらに安定的に固定する方法をとるべきだ。いい方法がある。木炭にすることだ。ほとんど炭素だけになるので物質として安定で腐ることもなく、燃やしさえしなければ大気に戻ることはない。だからバイオマス発電の電気買い取りなんて即刻禁止にして、そのかわりその木材等で木炭を作らせその木炭を買い取るべきなのだ。買い取った木炭は土壌改良に使えばさらに植物が茂るだろうし、池などに捨てれば水質浄化になるだろう。

ただ、ほんとにやったとしてもこれで吸収貯蔵できるCO2の量は排出量に比べてごくわずかにしかならないらしい。だからやろうとしないのだろうが、それにしてもだからといって排出してしまうのもどうかなーと思う。