音楽家レオニード・グルチン

 

ニューイヤーメリーゴーランド〜ロシアからの音楽年賀〜

ニューイヤーメリーゴーランド〜ロシアからの音楽年賀〜

 

 

太田フィルで何度か弦トレにきて指導していただいた群響チェロトップのグルチン先生が亡くなった。オケをやっているとプロの演奏家に指導を受ける機会も多いが、演奏指導はあっても「音楽を学んだ」と感じることは多くはない。グルチンさんの指導はそういう数少ない「音楽を学ぶ」ことのできる指導だったように感じる。チェロの枠に収まらないバックの音楽の世界の大きさを毎回感じさせられた。我々はアマチュアだからやはり多少の技術レベルの向上より、その先にある音楽の世界を表現することを目標にすべきだろう。技術の向上には限界があるが、音楽の世界の構築や理解、表現には限界は無い。アマチュアと言えども無限の可能性がある。グルチン先生の指導はそういう可能性を気づかせてくれるものだった。もうそういう機会は得られないが、わざわざ来てもらって気づかせてくれなくても心がければできるだろう。心の中のグルチン先生にいつも「こんなんでどうですか」と聞いてみよう。山のような反応が返ってくるかも知れない。