電気炉の炭製造と再エネCO2削減

電気炉で炭を製造してCO2を削減するのとその電気で石炭などの燃焼を削減してCO2を減らすのを比べてみよう。
木下崇という方のブログに電気炉で木炭を製造する実験が報告されていてそれによれば炭1kgを作るのに1.8kWhかかったということだ。
https://blogs.yahoo.co.jp/denoyukio/33658356.html
炭がすべて炭素でできているとすると炭1kgはCO2の3.67kgに相当する。つまりCO2を1kg吸収して固定化するのに0.5kWh必要となる。1kWhあたりならCO2を2kg固定化できる。
一方、各種電源別のCO2排出量
http://www.rist.or.jp/atomica/data/fig_pict.php?Pict_No=01-03-04-01-05
を参照すると1kWhを削減することによる燃料の節約によるCO2削減量はざっと、石炭なら1kg、最高効率のガスで0.5kgだ。
つまり、再エネの電気が1kWhあったときにCO2の固定化または固定維持できる量の多い順に木炭製造2kg、石炭火力1kg、ガス火力0.5kgということだ。おもしろいことに、この通りなら使う電気が再エネでなくても例えば石炭火力でも木炭製造すれば差し引き1kgのCO2を固定化できる。
木を燃やして発電するバイオマス発電がFIT対象になっているが、バイオマス発電はCO2を出すのだ。せっかく木などがあるのだったらその木と他の電力を使って木炭を製造すればCO2は減る。FIT対象にするなら電気ではなく、木炭買取をすべきだろう。
もちろんこの結論は木下崇さんの結果が正しければの話。おそらくブログの内容をまとめたと思われる「経済効率5倍の炭焼法」という本を出しているようなので注文してみた。

経済効率5倍の炭焼法

経済効率5倍の炭焼法