貯めトクサービス

関西電力四国電力から卒FIT対応で以下の発表があった。

https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/pdf/0422_2j_01.pdf

https://www.yonden.co.jp/press/2019/__icsFiles/afieldfile/2019/04/22/pr010.pdf

系統を蓄電池とみなし、月あたり一定の容量までは自家消費とみなして割引する。つまりその容量までは買電額と売電額が同じというわけ。ただし、その容量に応じた一定の料金が発生する。関西電力は詳細が未定だが四電は月150kWhまでで月2700円ということになっている。単純に割れば18円/kWh。例えば昼の電気代を31円とすれば昼に余った電気は31円で買い取ってもらえるが、そのかわり基本料18円がかかるので差額13円で買い取っているのと同じことだ。それでも通常の買い取り額よりは高い(関西電力8円、四電7円)。

面白いサービスだが、価格メリットはあまりなく、確実に2700円の基本料金が発生するので他のEV等の利用状況によって判断することになるが、利用価値があるかどうかを計算するのも面倒なので使わないと思う。

しかし、このサービスはよく考えられている。卒FITでEVや蓄電池で自家消費を増やす方向になるとその家の消費電力も売電料も下がる。つまり系統を流れる電気が減る。売る電力量も下がる。これは電力会社の収入を減らし、系統のメンテナンス費用も下がる。結果、電気代はどんどん高くなり、人々はより太陽光で自立を目指すようになる。この傾向が続けば電力系統は崩壊する。

一方、太陽光で自立を目指す場合蓄電池が必要だが、高いし容量は少ないし、寿命は短いからできれば買いたくない。そこを狙って系統を蓄電池代わりにするメニューを出せば人々はとびつくだろう。そうなると結果的に売電量も買電量も下がらず、基本料金が稼げて系統代も出る。電力系統が持続可能になるのだ。

利用者もリスクの高い蓄電池を購入する必要がなく、価格メリットだけ得られる。系統にとっても電力会社にとっても利用者にとってもメリットのあるいいサービス。自分にメリットがあるかは別だが、社会的にはこの方向がいいだろう。

気になるのは電化上手(よんでんならでんかeプラン?)が継続するかどうかだが、資料からは廃止は読み取れない。解約しない限りずっと続きそうな気配だ。EVを考えたとき深夜電力が安いのは魅力なのだが、そうなると東京電力から離れられなくなってしまう。