「あの頃、君を追いかけた」日本版

日本版は飛行機のなかで1回見ただけだったが、原作も台湾版もしっかり頭に入った今日本版を見ると別な感想があるかもとおもって、アマゾンプライムのレンタルで500円も出してもう一回見てみた。

しかし感想は同じ。主要な場面は構図まで含めて同じだし、出来事も同じように展開しているのだが、印象としては何も起こらず終わる感じ。つまりこの映画、主要な出来事は主人公たちの心の動きであってストーリーではないのだ。ストーリーは心の動きを説明するためのものなのだ。しかし日本版では主人公たちの心の動きがまったく見えない。出来事はあっても心は動いていないように見える。だから見ていて退屈で見通すのが苦痛。

やはりミシェルと飛鳥の違いだろう。

齋藤飛鳥はマウスコンピュータのCMはかわいくて好きだが、この映画ではかわいくない。出だしかわいくないのはミシェルチェンも同じなので成功とも言えるが、ミシェルチェンは映画が進むにつれてどんどんかわいくなり、ついには国民的女神と呼ばれるようになるが、飛鳥の表情はほとんどかわらず、笑顔はかわいいが脈絡がない。

 ミシェルチェンは実生活でもアメリカに留学するなどチアイーのような学生生活を送っていたし、役者としても有名ではなかったとは言えすでに多くのTVドラマや映画に出演し、主役映画も作られている実績ある女優さん。しかもギデンズ監督はミシェルには演技指導はほとんど行わなかったらしいから自分でチアイーがどう考えるかを考えて演技したのだ。配役がこれ以上ないくらいマッチしたプロの女優。かたや齋藤飛鳥は乃木坂の子であり、映画初体験。比較するほうがかわいそう。

映画はほかにもダメな点たくさん。しかし映画としてはだめでもこの企画があったからこそ、原作小説も翻訳されたし、自分も台湾版を知ることができた。そして映画がダメな分台湾版の映画のよさが再認識できる。企画としては本当にあってよかった。映画としても同じようにつくってもこれだけ印象を違えることができるという学習材料として適切だ。

ただ、感想は人による。こちらのブログのように日本版を14回も見た人もいる。

【あの頃、君を追いかけた】 感想⑥ | yamagmmmmmのブログ

自分と同じように2018年映画のワーストワンに選ぶ人もいる。

あの頃、君を追いかけたのAyaの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画

まあ、ダメ映画は星の数ほどあるからこんな映画があっても悪いわけではない。いい映画を紹介するという機能だけでもあれば大いなる価値がある。