映画カルテット


映画「カルテット」が公開になったので早速みてきた。映画としてはなんだかちょっと暗くて現実的で浮いた話があまりないぱっとしない感じだが音楽映画としては一流である。第一に配役がすばらしい。チェロはほんとのチェリストだが女優としては初めてなので演技がやはりかなりおちるがしかし彼女がいたせいでおそらく演奏演技の質が格段に高まったことだろう。他の3人はいかにもそれっぽく文句のつけようがない。第二に演奏演技のすばらしさ。桜井幸子がちょっと下手だったがそれでもちゃんと弾いているし、チェリストは当然だが男性二人は今回初めて楽器をもったとは信じられないできである。しかも演技がはいるせいか、本当の音楽家より音楽家っぽい。ひきっぷりがいいのである。このところ外国映画でデュプレとかバイオリン教師の話とかあったがそれらよりずっと上質である。第三に曲と演奏がいい。曲はもちろん久石のオリジナルのようであるがこれがなかなかよく、演奏もすばらしい。チェロのソロのシーンなどでもチェロはいい楽器だなーと思わせる。第4に演奏シーンのすばらしさ。舞台ではこのカルテットは立って演奏する。そのほかいろんなところで練習や本番のシーンがありなかなかおもしろい。特に海のシーンは実に美しい。プロモーションビデオのようだ。そう、この映画のビデオはぜひ手に入れたいものである。桜井幸子はいいな。彼女がいなかったらだいぶ印象も変わったことだろう。それにしても練習シーンがでてくるのだがやはりレベルが高い。プロは違うね。