「ハウルの動く城」


話題作「ハウルの動く城」を見てきた。これは思いっきり女の子向けの少女漫画のようなもの。主人公が不遇を明るくのりきり最後に王子様などに救われたり結ばれたりという構成はシンデレラや小公女などと同じである。千と千尋でもハクという王子様役がいたが他にかおなしや坊、リンなどハク以上の存在感がある脇役が大勢いたのであまり気にならなかった。ハウルはあまりにも王子様してるので興ざめ。宮崎作品は最初はラナ、ナウシカ、シータなどお姫様物語だったのが最近は王子様物語になってきたということか。ハウルの物語の面白いところは同世代の子と比べてぱっとしない仕事を黙々とやるだけがとりえのコンプレックスの塊のような女の子が90歳のばあちゃんになることによって人との比較の必要がなくなりコンプレックスから解き放たれてかえって元気になってしまうという逆説にあると思う。その意味で面白い作品なので映画がその辺をもっと描ききれるとよかったのだが。さすがのジブリでもうまくいかないことはある。