「ブルーダイヤモンド」「虚構の空路」


ブルーダイヤモンド」基本的に女たらしの男の話ばかりの短編集。作者が女性のためか、男性像にあまりリアリティは感じなかった。女性はそんなもんかも知れなかった。それにしてもだからなに?という感じの話ばかり。まあ悲しい女のさがをうたっているということか。「虚構の空路」かなり70年代の古い話だが当時の最先端を駆使したアリバイトリックでなかなか面白い。トリックが面白い一方人間像が薄いのはまあしょうがないことだろう。どちらも濃いと重くてかなわなくなるかも。
 ところで昨日の鑑定団に出した人が絵がわかる人は怖くて絵なんか自分では書かない、と言っていた。音楽もそうかも。やるのが趣味の人は聴くことに関してそれほどはうんちくを語らないものだ。音楽の怖さを本当に知っている人は聴くこともできないらしい。やるのが趣味の人は音楽をほんとはわかっていないのかもしれない。そうであっても私は音楽をやり続けたい。”だから音楽をやらない、やれない”というような方向には行きたくない。