「プロジェクトX15技術者魂よ、永遠なれ」

東京ドーム、愛知用水荘川桜移植、カシオデジタルカメラ、トキ人工繁殖、サンヨー洗濯機のドラマ。読み物として十分面白い。面白おかしくしすぎてプロジェクトXは沈んでしまったが。それにしてもこういういわば裏方の仕事を表に出すのは価値ある仕事と思う。デジカメと洗濯機は家電の分野の話だが、こういう初めて物語を読むとあらためて認識するのは、家電というものは100年前にはまるでなかった分野なのだ。夢を形にするというが、夢そのものがまだなにもないところから始まってまず夢というものをつくり、形にし、市場をつくり、文化を作ってきた歴史なのだ。人類歴史上稀有な時代だろう。そしてもっとも面白い時代でもあるかも知れない。一方桜の移植などは参考にするのが江戸時代の文献だったりして、まったく日進月歩でない、人類の長年の知識の積み重ねを生かした技術といえるだろう。一方トキは時代とともに絶滅に至ってしまったわけでいろいろな分野が時代とともに変わって行く。サンヨー洗濯機も中国に売られていく時代になってしまった。これからはどんな時代になっていくのだろう。