「決断する力」

 東京都副知事猪瀬直樹の本。大震災のときにはこんないい対応をしたよと自画自賛(自慢?)しているような本でなんだかなーとは思うが、ほかではできない、やらないことをしたという意味では自慢してもいいのかも。役所の発想でない人がいるというのは重要なことである。石原都知事は自らは自動販売機を我慢とか言うおばか知事だが、優れた人を使う術をもっているようで、そういう意味ではいい知事なのかも知れない。しかし東電や原発関連の体制を作った自民党政権の反省はないようだ。それではだめだろう。かわりに強力な東電批判をやってくれてはいるが。
 「昭和16年の敗戦」という本を書いたらしく、昭和16年の開戦前に太平洋戦争をするとどうなるかというシミュレーションをやって、最初は勝つがいずれ制海権、制空権を失って最後はソビエトが参戦して終わりと予想したのに上層部はわかっていながら政治的に流れを止めることができず追い込まれて戦争を始めてしまったらしい。なんだかやはり日本という国は危なっかしい。原発少子化も年金もみんなそうなのだろう。空気を読む人ばかりではだれも止められないのだ。石原とか猪瀬とかは独善的で好きではないが、いい意味で空気を読まないので実行力があり、これまでにない新しいことをいろいろしようとしていて評価はできる。

決断する力 (PHPビジネス新書)

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