「青色発光ダイオード・日亜化学と若い技術者が創った」


青色発光ダイオード日亜化学と若い技術者が創った」青色LEDで騒がれた開発者中村修二という人がいるがこれは反中村修二本。青色LED量産成功は世界的な功績であるが中村氏は開発の最初に多少の貢献があったに過ぎず、彼の特許はもう誰も使わないし現在の業績のほとんどは彼以外の功績によると主張している。確かに彼がキーパーソンであったなら弱体化するはずの日亜化学は未だに大企業を敵にまわしつつ業界最強である。中村氏のニュースに接するたびそこがきになっていたところなのだ。これを読んでまあまあ納得。確かに青色LEDを作ったのは彼が最初ではない。しかもそれを業界最強に育てたのは彼の部下たちであり彼というわけではない。だから自分だけがやったとの主張には無理がある。それが本当なら彼がやめたとたん日亜化学は少なくともその分野で衰退して行かなければならない。しかし実際には今でも業界トップを走っている。これは彼でないところに技術の蓄積があるはずということになる。ただ一方でこれらはお金さえあればできる類のことではない。やはりこうなるためには開発者中村修二でなければならなかった場面もあったはずである。だから彼だけがやったわけではないが彼がいなければやはりできなかったかも知れないのだ。どちらにしても正当な評価は難しい。これだけの功績なのに技術者に夢を抱かせる物語にはなかなかならないのは悲しい。