のだめ2


のだめと千秋の関係はブラックジャックピノコの関係ととてもよく似ている。男はその道で一流、いわば仕事人で、女は遊び人。勝手に妻だ、奥さんだといっているところも似てる。いなくていいはずの存在なのに存在感がどんどん大きくなっている。わざとそうしたわけでもないだろうし参考にしたとも思えないがおさまりがいいのだろうか。
 ところでのだめのお気に入りのシーンのひとつが長野の音楽祭の夜、のだめがきつねつきのように不思議な動作をするところ。音楽はもともと右脳的イメージの世界であるはずだが楽譜と言うデジタル記号で記述される。そのため演奏家はこれを左脳的論理的に読み取り音に変換する。このときうまく右脳的イメージに変換できるといいのだが変換できなくても「うまい」演奏はできてしまうのでそこをそれほど追求しない場合も多いと思われる。のだめは楽譜を読むのが苦手。つまりあまり左脳的論理回路は使っていない。あのきつねつきのしぐさは作曲者の右脳的イメージを直接のだめ自身の右脳的イメージに変換する作業だったのだ。だから他の誰にもできない演奏ができたのである。私にとってこの右脳−右脳変換こそ楽譜にしばられたプロよりアマチュアに期待するものなのだ。しかし実際にはアマチュアもより論理的な方向に行きたがる。そのほうが方法としては簡単なのだ。うまくはなるが下手なプロみたいな演奏になってしまう。のだめのように右脳的演奏をするにはどうしたらいいのか。やはり才能なのかな。