「やっと中年になったから」


自分が中年という気はしないが世間では40代は立派な中年である。この本は40代から人生を再出発した人の例を41人紹介している。しょっぱなは伊能忠敬であるが、伊能忠敬の調査をしている主婦二人もその実例である。中年になったら人生先が見えたとかいってあきらめの境地に達する人もいるだろうが、40代になるまでは世間的な生き方をし、それ以降は好きなことをやるような伊能忠敬のような人もいるし、40代までは好き勝手やってきたがそれ以降は落ち着いて人に貢献するような、瀬戸内寂聴のような人もいる。昔と違って人生80年もあるのだから40代はまだまだ若い。子育てこそ終わる世代ではあるが時間的には人生の始まりといってもいいくらいである。要はそれまでの人生に縛られないあるいは年齢に縛られない発想で行動するということだろう。江戸時代でも隠居後の人々が文化的に大きな役割を果たしていたらしい。私も年齢に関係ない音楽の世界を早い時期に知ることができて幸せだったと思う。