「たった一人で国・薬害裁判に勝つ」


実は前半だけしか読んでいないのだがインパクトがあったので感想を。それまでバリバリの強気サラリーマンで年収1500万もあったのに高脂血症治療薬を飲み始めたとたんいろいろな症状に悩まされ働くこともできなくなり国に副作用申請をしたが却下され弁護人も決まらないままたった一人で裁判を起こした。最終的には薬害オンブズパーソンなどの弁護士の支援を得られ、一審で勝訴するまでを書いた本。控訴されてしまったので闘いはまだまだ続くようである。本人にしてみれば明らかに薬害であるのにちょうど薬を服用した時期に他の疾病を発病したものと区別できないとか、副作用として一般に認められている以外の症状が出た場合にはこの薬の副作用ではないだとか言われてなかなか副作用として認めてもらえない現実をこの本は明らかにしている。薬害の場合、加害者が医者側なのでそれが副作用であることを主張してくれる医師にはなかなかめぐり合えない。この人は経済力も体力も衰えてしまっても気力だけはまったく衰えなかったので(それはこの本をみればわかる)これだけの活動ができたが普通の人はここまではできない。できなければ副作用が社会的に認知されることもない。だから実際には副作用でも原因不明といわれて泣き寝入りしている人が大勢いそうな雰囲気である。あとこの本でショックなのは抗がん剤などの命を救うかもしれないがリスクもあるような薬でなく、コレステロールを下げるような健康のために飲む薬でこんなことになったこと。この人も節食や運動で下げる努力をしてから飲めばこんなことにはならなかった。とにかく飲まずにすむ薬は飲まないにこしたことはない。

1.vaceba
投稿日:2009/02/17 20:20
読了。ネットでコレステロールのことをいろいろ調べてみると次のようなことがわかった。コレステロールの正常値は220以下となっているが、この値は心臓の冠動脈疾患を防止する観点から(つまりそういう学会によって)決められている。ところが実はコレステロール値が低くなるほどがんや脳出血のリスクが高まり死亡率は220前後が一番低くなる。もともと日本人は冠動脈疾患は少なく、特に女性には少ない。なのに冠動脈疾患が多い米国の基準240より20も少ない基準が決められ、しかも男女の区別もされていない。これはこの本で問題になっているコレステロール低下剤を売るためだというのがもっぱらのうわさである。コレステロールは高いほうが長生きする。そりゃ高すぎれば問題かもしれないが、たいていの場合は心臓病を気にするよりがんや脳卒中を気にした方がいいのではないだろうか。無理して薬で下げる必要はない。下げる場合は薬ではなく運動や節食でやった方がよいだろう。私も昔「高中性脂肪血症」といわれたが言った先生に聞いたところ「ぜーんぜん気にする必要ないから」と言われた。その後自転車等で数値はさがったが。意外と偉い先生だったのかも。