都知事選

東京都知事選はワタミの社長もそのまんま東も当選せずつまんない結果に終わった。全体に守旧派が勝ったようで先行き暗い。都知事は節電に関してこんなことを言ったそうだ。「自動販売機とパチンコを我慢」「コンビニの深夜営業は禁止、ネオンサイン禁止」「資源のない日本では原発は必要」。前に京都市長や埼玉県知事が同様なことを言っていたので馬鹿にしていたが、ここにもお馬鹿な知事がいたことがわかった。停電の危険があるのはピーク電力が発電能力を上回るからである。ピーク電力が発電能力を下回れば問題はなく、ピークとボトムの差は小さいほうが発電効率はよくなる。たったそれだけのことをわかっていればこんな発言はしないはずなのだ。ピーク電力を高めているのは夏や冬の場合は空調なのだ。パチンコではない。パチンコかどうかにかかわらず、空調を使っている会社や家庭は皆同罪だ。都知事はパチンコをあげつらう前にまず自分の権限を使って都庁や都関連の組織が使っている空調を止めるべきなのだ。なお自動販売機は20年前に比べ消費電力は約1/3になっているそうだ。しかもすべての機種でピーク電力をカットする機能がついているらしい。午前中に強めに冷やし、もっともピークとなる午後の時間は冷蔵機能を切っているそうだ。こんな先進的な対策をすでにとっているものをあげつらうのは自分でできることをすべてやってからにしてほしいものだ。なお、コンビニの深夜営業やネオンサインは言うまでもなくピーク電力にはなんの関係もない。埼玉県知事や京都市長などと同じ勘違いである。ピーク電力を下げるのに有効なのは太陽光発電である。太陽光は1kWあたり48円とコストが高いといわれているが、同様にピーク電力対策のため設置される揚水発電所の発電コストは実はもっと高い。ピーク電力は時間的にわずかしかないのでピーク電力に対応するために作られる発電所稼働率が極端に少なくなるので必ず高コストなのだ。だから太陽光発電はピーク電力対策として設置される以上は必ずしも他と比べて高コストとは言えず、買い取り価格は48円から下げなくてもいいはずなのだ。一方いまだに原発はコストが安いから無くすべきでないと言っている人がいて驚くが、確かに事故がなければその通りだが、いまや大事故がおこってしまっているので賠償金だけでもすでに十分高コストになっていて、日本という国に対してあるいは日本製のブランドにたいしての風評被害も含めれば計算できないほどの損害が今後発生していくだろうからもはや計算できないほどの高コスト発電ということができるだろう。もはや経済的には原発の選択肢はない。あるとすればエネルギー安全保障あるいは技術開発、技術継承のために国家が行う場合だけであろう。これまで電力会社は投資が大きくなるほど利潤も大きくなるためにピーク電力対策はまったくといっていいほどしてこなかった。一部エコアイスなどをやっていたが。今後、ピーク電力対策や自家発電、太陽光発電導入が進めば原発なしでもやっていくことはいずれできるようになるのではないかと思う。なお、上記揚水発電所は夜中電力需要が少ないときに発電してしまう原発の電気をためておくために作られている。原発がなくなればこれは風力や太陽光など不安定な電源の電気を貯めておくために使うことができる。つまり、今ある原発を止めればその分風力など不安定な電源を導入できることになるのだ。エネルギー安全保障にもなるし、CO2対策にもなるし一石二鳥ではないか。だから長期的には原発が必要というのも間違いと思う。いずれ必要ではなくなるが石油枯渇対策とか技術継承のために細々とやる程度になるのではないだろうか。これを機会に再生可能エネルギーの不安定さを解決できる技術を磨けばそれがまた世界に輸出できるだろう。災い転じて福となしてほしいものだ。それにしても実態を知りもせず調べもせずおばかな発言をする都知事を選んだ都民もおばかである。