下町ロケット

下町ロケット

下町ロケット

直木賞受賞作。だからといっていつもだったら読まないのだが、今回は題名が面白そうなので読んでみた。下町工場の人たちが衛星を飛ばす話かと想像したのだが、全然違って、国のロケット開発者だった人が打ち上げ失敗の責任をとってやめ、中小企業の社長になってロケットの重要部品を開発し、特許を武器に大手企業と交渉して次期ロケットに採用されるドラマだった。ロケットとか、中小企業とか、特許とか、面白そうでしかも自分の仕事にも近い(自分はロケットとかはやってないが、その付近の研究的な仕事が転がってくることはある)。天下のなんとか重工が下町工場のもっている特許をそれほど意識するものかは疑問のような気もするし、大企業が中小企業に対してこれほど横暴なものなのだろうかというところも疑問だが、話としては面白い。著者はもと銀行員とのことで、でてくる銀行出身の人が大活躍するのはそういうことかと思った。