「政治主導の落とし穴」

筆者は文化放送の記者。ラジオ局の記者なんていうのがいるのかというのがちょっとした発見だった。いわゆる記者クラブ所属の大手ではないのでメディアの報道姿勢もきびしくチェックしている。題名が中身をあらわしているような気はあまりしない。しかし特に1980年代以降の政治改革の歴史がひととおり記述されていて、それを見ると政治が理想を求めていろいろと変わってきたことがわかる。今現在のことだけ考えるとあまり見えないが、歴史的流れでみるとよくもこれだけ変われたなと思うぐらい変わってきているのだ。ただそれを現在の政治が生かしているかというのは疑問ではあるのだが。また、菅政権には厳しい評価をしていて、菅政権が退陣しなければならないとすればこういう理由であろうということもわかる。しかし菅退陣についてもメディアの報道姿勢については厳しい。ところどころいかにも日本の記者、マスコミ的な考え方がでてくるので絶賛はしないが、記者側からみてよくこれだけ整理してメディア批評もまとめたなと思う。自分と歳が同じ。やはり同じ世代だと評価できる人が多い。

「政治主導」の落とし穴 (平凡社新書)

「政治主導」の落とし穴 (平凡社新書)