「六ヶ所村ラプソディー」

ミツバチの羽音と地球の回転」を見に行ったときにDVDを買ったので見てみた。「ミツバチ・・・」は祝島原発反対運動を描いたものだったが、祝島がまとまっているため、中国電力との攻防は見ごたえがあったし、1次産業はだめという中国電力の偏見に対し、祝島の取り組みや電気についてのスエーデンの取り組みが対抗していて、実際の力は別として映画の中で力が拮抗している印象があった。しかし「六ヶ所村ラプソディ」は再処理工場の反対運動を描いてはいるが、昔は反対が強かったし、今でも心情的反対派は多いかも知れないが、実際に反対運動をしている人の数は微小であり、多くの人は再処理工場の経済効果を受ける立場になってしまい、反対運動の無力感が漂うものとなっている。再処理工場の出す放射能が1日で原発の1年分という反対派のキャッチフレーズは、原発事故により年数ミリシーベルトが珍しくない今ではかえって少ないという印象までうける。しかし地震津波に対して再処理工場はどうなのだろう。映画の中でそういった議論はでてこない。今回原発については地震津波の危険性について実証実験が行われてしまったので詳しくなったが、再処理工場の場合、どんな危険につながるかはよくわからない。しかし、原発の危険性が明らかになり、高速増殖炉もますます危険だし、燃料としてのプルトニウムの価値がなくなれば当然再処理工場はそれ自体が危険かどうかは別としてみなおさざるを得ないだろう。

六ヶ所村ラプソディー [DVD]

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