「ご老人は謎だらけ」

 児童心理学というのがあるのは知っていたが老年行動学というのは初めて聞いた。老人心理をいろいろ解説した本。
 多くの老人は自分を老人だと思っていない。そのためいわゆるシルバー産業ははやらない。一方、自分が思っているような歳と外見や身体能力をあわせるためのアンチエイジングはおおはやりだ。
 老人は身体能力や注意力など様々な能力が落ちてきているはずだが、実は能力の低下を知識と経験で補っている。そのため能力の低下は傍から見るほどには感じない。
 日本ではアメリカの影響からか、歳をとってもまわりに迷惑をかけない自立した生活をし、あるときポックリいくピンピンコロリ願望をもつ人が多い。しかしそれは不自然だ。大切なのは自分の意思で生きる自律であり、無理して自立することはない。歳をとったらまわりの力をうまく使うことにも力を注ぐべきだ。
 とまあそんなようなこと。そんなに興味ある話でもないし、特に新しい発見があったわけでもないが、もう老眼だし、そういう心の準備もしておいたほうがいいだろう。

ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす (光文社新書)

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