「そして父になる」

(もちろん映画なので)絵に描いたような二つの正反対の典型的な家族があり、その子供が実は生まれたときに取り違えがおきていたことが小学校にあがる前年にわかった。さてどうするか。男と女、仕事と家庭、都会と田舎(といっても前橋だが)、子供と大人、血縁と家族愛、金と時間、それぞれの見方で答えは大きくちがう。もちろん正しい答えはない。こういうことがなければ深く考えないようなことだが深く考えると難しい。人としての哲学があらわになってしまう。二つの家族を比較することはできるしいろいろ評論はできるかも知れないが、いざ自分に降りかかったときにどうするか、どうなるか、どうできるか。困る映画だ。まあ映画としては終わり方はちょっと安易な気もするが。終われない映画なのでしょうがないだろう。