「ザ・チョイス」

ゴールドラットの5冊目。難解との評判だったがそんなことはなかった。事例としてあげられているのはパン屋やアパレル等でなじみのあるものだが、見事な改善事例でさすがだ。セブンイレブンユニクロも絶対参考にしているに違いない。本はそういった事例をもとにゴールドラットとその娘がいろいろ話す。ゴールドラットの考え方を他の人もできるようになるにはどうするかというような話。面白かった言葉は「謙虚にだが尊大に」(うろ覚えだが)。人の言うことには謙虚に耳を傾けなければならないが、飛躍的な改善が可能だという自信は山のように持っておくべきだというようなこと。そして、ロジックを見つけるには直感が必要で、それには感情的な移入も必要、ロジックと直感と感情は対立するものでなく相互にからみあっているということ。ロジックを考えると感情を排除しようとなりがちだが、それではロジックも見つけられないのだ。本当にいろんな分野に応用できそうな話。ゴールドラットは物理学者でその考え方を経営問題に応用することで大きな成果をあげた。日本の原子力の科学者たちは自分の研究に閉じこもり、東電が安全神話確立のため安全研究を止めろといっても研究費を出してもらうために従ってきた。同じ学者でもまったく違うね。こういう考え方を原発問題に応用したらどんな成果をあげられるだろうか。

ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!

ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!