「ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス」

2回目の読書。主人公が儲からない3つの会社(印刷・コスメ・蒸気機関)を数ヶ月でものすごい儲かる会社に変身させてしまう物語。前に読んだときはテーマにとりあげている思考プロセスはあまり興味がなく、それによって進展する物語が面白くて読んだが、今回はその思考プロセスに興味を持って読んだ。そうはいっても思考プロセス自体がそれほど強力なものとは思えないが、とにかく思考プロセスにしたがっていろいろ検討すると今まで気づかなかったものが見えてくる。見えてこなければダメなのだ。物語上でもそう。主人公は思考プロセスを部下とともにやるのだが最終的な解決策を思いつくのは本人でなく部下なのだ。それはともかくその思考プロセスをおさらいしておこう。
①現状問題構造ツリー:現状ある問題を思いつくまま列挙しその原因として最も重要な変えるべき項目を探す。
②対立解消図:その原因と、変えるべき状態の理由と共通目的から解決方法を探す。
③未来構造ツリー:上記解決方法から予想されるいい結果と悪い結果を列挙し、問題の解消とより効果的な方法を探す。
④前提条件ツリー:変わるべき目的に対する障害を列挙し、それらを克服するための中間目標を考える。
⑤移行ツリー:中間目標を実施していき最終目的に至る実行可能で効果的な手順を考える。
結局、原因を探るのも解決方法を探るのも実行するのも人間だ。力は思考プロセスそのものではなく、思考プロセスを行う人間にある。しかしその力を引き出すツールとして強力な意味を持つということだろうと思う。

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス