足響の定演


今日は足響の定演だった。チャイコフスキー・プログラムだったわけだが、チャイコの木管はソリスティックというかアクロバチックな動きが多く、嫌でも技術向上につながるというものである。さらに、コンチェルトに至ってはソロとの掛け合いが多く、これこそ木管楽器のみに与えられた醍醐味に尽きるというものである(これだからオケを止められないのだ、ブラームスメンデルスゾーンのコンチェルトも是非やってみたいものだとつい欲をかいてしまう)。それにしても、今日のソリストは予想以上に妥協というものがなかった(当然と言えば当然か)。もう少し反応の鈍いオケに付き合ってくれるのでは、と後ろ向きな期待をしていたのだ。正直、あのソロの揺れに合いの手を入れるのは厳しいものがある。そのおかげで、久し振りにいい緊張感を持って本番に臨むことが出来た。妥協をしないというのは快感であると思った。
しかし、1プレーヤーとしては手応えというか刺激になる部分の多い演奏会であり、ヴァイオリンのソロとファゴットのソロは文句なくExcellent!!であったが、全体としてはどうなのだろう。付け焼刃というのがばればれ、という気がしていたのだが。直前に人海戦術で体裁を整えたわけだが、あえて言わなくても察するお客さんはその辺察していたであろう。特にリズム感という点は???を超えて×××だと思う。後期ロマン派は力づくで何とかなるとよく言われるし、結果は表面上何とかなってしまうものだが、こういうことを繰り返していても技術は向上しないし、演奏する楽しみすら無くしてしまうような気がする。本来は演奏する側が言うセリフではないが、何だかつまらない演奏会であったし、先々妙な不安感も覚えてしまう。