音楽と絵


アマで練習していると「正しく」演奏しようという努力が多い。技術が下手なので正しいテンポ、正しい音程が難しいのでそうなっちゃうのだろう。正しい音楽とは絵で言えば「写実的絵画」という感じであろうか。しかし現代人が楽しんでいる絵に写実的なものはほとんどない。モネ以降絵画の世界では表現の幅が広がって写実的な絵画を描く人はあまりいなくなった。写真技術が開発されたことも一因だろう。先日の群響の指揮のときは相手がプロなので「正しく」演奏することは群響がやってくれるであろうからそんなことはみじんも考えずいかに「おもしろく」「楽しく」演奏するかを考えた結果とても楽しくできた。音楽の世界でも「正しい演奏」はコンピュータにまかせて原則正しい演奏を目指さないようにすればもっと表現の幅が広がるのではないだろうか。