「人間の証明」「小説陸軍」


人間の証明」題名からもっと哲学的なものを想像したが普通のミステリー。でもなかなかおもしろかった。売れるだけのことはある。「小説陸軍」明治維新から終戦直前までの陸軍好きの家族を描いている。陸軍そのものはあまり出てこない。ほぼ主人公は軍人になりたかったが体が弱く、子供や弟は軍人になったがみんな死んでしまう。早川徳次とほぼ同じ世代だが志は高くともなんとも非生産的である。軍隊は強力な組織だけにチェックがはたらかないこわい組織でもある。戦前の日本はやはり難しい。この小説は戦中に書かれたものでそのころの日本人の思考を知るうえで興味深い。しかしつまらなかった。