「生きかた上手」


「生きかた上手」日野原というこの人はとてもりっぱな人なのだ。しかし残念ながら感じるところはなかった。臨終の際の音楽というようなところだけちょっといいかな。(ちなみに私の臨終の音楽はバッハのオルガン曲(トッカータパッサカリア、幻想曲、小フーガ)と思っている。)完璧な人のいうことを聞くよりはだめな人だけどどっかいいところがあるような人の言うことのほうがたぶん面白いと思う。だいたい作家なんてみんな変人というし。読んでいて連想したのは堀田力。新聞の投稿記事で感心したことがある。お世話のされ方という題名だったように思う。人は誰しもお世話の仕方は勉強したり努力したりするがお世話のされ方について勉強したり努力したりはしない。しかしお世話のされ方がとてもうまい人がいてその人にたいしてはお世話するほうが先をあらそってお世話したがる。いずれお世話される側にまわるとするならお世話のされ方についても勉強したり努力したりしておいたほうがよいというような内容だったと思う。考えてみれば入院したりしなくってもそれはとても大事なことだ。よくよく勉強しておきたいものである。