太田フィル

太田フィルの定演が終わった。曲はセビリアの理髪師モーツアルトパリ、ドボルザーク8番。いい演奏だったと思う。指揮者はさすが。音楽の構築、振りの技術、盛り上げる技術、楽員にいうことをきかせる技術など多面的に技術的にある水準に達している。練習と本番の振りが違う指揮者は多い。練習ではそれほど感じないスピリットを本番では最大限発揮する指揮者もいれば、本番になると興奮してよけいな振りが多くなり音楽の流れがおかしくなる指揮者もいる。今回はよくも悪くも練習時と大きくはかわらないきちんと計画された冷静な指揮であった。お客さんはきっと満足したであろう。しかし高い水準の演奏をすることは楽員にはつらいものがある。軟弱な私は演奏会の水準が高くて練習が辛いよりは演奏会の水準が低くても毎回の練習が楽しい方がいいと思っている。毎回楽しくて演奏会の水準も高いのが理想だが人間なかなかそれが難しいのは今回の練習をみていてもわかる。軟弱ものにとってはいい指揮者のときは聴く側にまわるというのが賢いやりかたかもしれない。