「自己責任」


イラクで拘束された3人のうちの18歳の青年が事件後割とすぐに書いたもの。題名になっている自己責任についてはそれほど言及しているわけではない。イラクにいく経緯、拘束時のようす、帰国後の様子などを綴っている。本人にしてみればやっと開放されて日本に戻ってきてみると自分たちのことで日本がたいへんな騒ぎになっていてその経緯がわからずピンとこないようであった。本人の経験も大変ではあったが終われば終わるはずのものだが日本の騒ぎは戻ってからもしばらくおさまらず、今でも悪く言う人がいるようだ。マスコミは話題性のためだれかをいけにえにすることがよくあるが(最近の偽装事件とかもある程度そうだと思うが)そういうのの犠牲になると大変だ。それにしてもイラク情勢はこのときより数段悪くなっているらしい。戦争はどう考えても避けるべきである。虚偽の証拠をもとにイラク戦争を始めた米国の責任は重大である。彼がイラクに行こうと思ったのも米軍が使っている劣化ウラン弾の調査にいこうと考えたためらしい。自己責任論議もよいが米軍の責任、それに追随した日本の責任をもっと考えるべきである。イラク戦争の前、アメリカは日本の事例を成功と考え、これをイラクにもと思っていたらしいが、日本は単一民族だし、終戦のとき米軍を迎え入れたのは日本の体制である。イラクの場合で言えばフセインが敗戦を認め米軍を迎え入れる状況でなければならない。多民族、多宗教の国で体制を破壊しフセインを死刑にしてしまえば内戦状態になるのは必至だろう。アメリカは何を考えていたのだろうか(追随した日本も)。まあただ石油がほしかっただけだろうが。