「こころみ学園奇蹟のワイン」


ある熱血教師と特殊学級の生徒たちにより足利にぶどう畑が作られ、知的障害者の施設がつくられ、しいたけが栽培され、ワイナリーが作られ、そこで作られたワインがついには沖縄サミットで各国首相に振舞われた話。ぶどう畑開墾から今年で50周年になるそうだ。私も足利にきたのがもう16年も前になる。そのころから収穫祭のうわさは耳にしていたし、ワインも買ったことはあるのだが、一人ではめったにお酒を飲まないのであまり意識することはなかった。先週ぐらいに初めて行ってみて車だったのでワインは飲めなかったがスパークリングジュースとランチを食べてきた。今年の収穫祭は11月15,16ということもわかって今年こそ行こうと思った。そして図書館に行ったらこの本がめについたので借りてきた。読みやすいが中身の詰まった本である。ほんとうに想像もできないようないろんな苦労があっただろうが全体としてみると絵にかいたような成功物語でへたなフィクションよりずっと面白い。そのランチを食べたテラスはわずか4年ぐらい前に火事で焼けたあとに災い転じて作ったものらしい。今でもどんどん進歩しているのだ。一般人にもこんな教育施設があればいいのにと思う。実際にはあったとしても実際にもあるだろうけどもいく必要性がないからよっぽどの人でないといかないだろう。やらなくてもいいことをやるというのは相当な信念や実行力がないとできないことだがやればこういう分野でもこんな成功例もありうるということを示したことは本当にすごいことである。こんな一文がある。「川田は学園解説当初から、職員に『消えてなくなるものに渾身の力を注げ』と言い続けてきた。豊かさは、感じられるものにより多く内在していると考えるからだ。」これは音楽にも通じる発想である。音楽も消えてなくなってしまうがそこに渾身の力を注ぐことで精神的豊かさを高めていきたいものである。