「年収120万円時代」


森永卓郎の本。この人はテレビでよく見る割にテレビや新聞と違う見方をするので面白い。小泉政権によっていかに日本が弱肉強食の国家となったか、そして年収300万円時代を書いたあとに急激にその傾向が進んで年収120万円時代を書いたというものである。いままさに期間労働者が何万人も首を切られてたいへんなことになっているというのに政府や政治家の動きはないようなものだ。その理由を巧みに描き出している。巧みすぎてこの人のいうことも眉唾かもとも思うが、軽薄で画一的なマスコミ報道とは確かに違う見方でありこういう見方で国を見ることも必要だろう。というより普通の人はいろんな数字をみてもなかなかここまでの見方はできない。マスコミ的見方、森永的見方、それらを包括して一段高いところで見ないと本当のことは見えてこないのだろう。やはりものを見るというのは難しいものである。