「病が語る日本史」


医学の歴史でペニシリンの発見とか種痘の開発とかは知られているがその効果がどれほど劇的であったか医学の歴史は語ってはくれない。それを語ってくれるのが病からみた日本史ということである。今も現代人の命を奪う癌や脳卒中はもちろんむかしからあったのであるが、昔は圧倒的多数が寄生虫病、天然痘マラリア結核、インフルエンザ、コレラ、ペストなどで命を簡単に落としていたのだ。これらにより死ぬ心配がほとんどなくなったのは本当にここ数十年のことなのである。天然痘こそ地球からなくなったがそのほかの病は今でも途上国では人の命を奪っている。今の時代の日本に生まれられただけでも本当に幸運なことだということをこの本は教えてくれる。