「一冊で歴史上100の大失敗から教訓を得る」


なんつうあけすけなタイトルの本だろうか。説明するまでもなく中身もそのままのものである。見開き2pで右側が背景の説明、左側にどう失敗したかの説明と失敗要因の考察、最後に2行ぐらいで教訓。そして上のほうにもし失敗しなかったらという予想を書いている。100もあるので読むのは大変だったが書くのも大変だったろう。近代の事例のあとに紀元前の話が出てきたりしてとまどうがなかなか面白い。それにしても日本の信長、秀吉、家康の時代は本当に奇跡的な事例が多い。歴史は基本的に成功者のものであるが失敗者の視点から見るとどうしてこういう戦いが必要だったのかがよくわかる。面白い視点である。私は貧乏性のせいか成功談より失敗談のほうが面白いと思う。自分がいまにもいろいろな失敗をしそうな危うい存在に感じるのだが、失敗について学んだ分だけ少しずつ安全になってくる気がする。まえに読んだ「失敗100選」なんかも技術的なものだが面白かった。