建築家集団訴訟


邑楽町庁舎の設計コンペに参加した建築家たちがコンペ優勝者の設計による庁舎でない庁舎を建てたことに腹をたてて起こした集団訴訟の判決が来年1月27日にあるらしい。邑楽町は前前町長のときに庁舎の設計コンペをやってその優勝者と契約し実施設計までやって、着工直前までいったのだが、選挙で町長が変わったため凍結され、いつの間にか別の設計がされ、庁舎が建ってしまった。次の選挙でコンペ案を支持するまた別の町長にかわったのだが、出来てしまったものはもうどうしようもない。URLに原告と被告の最終書面が載っている。
http://wright.sk.tsukuba.ac.jp/ora/
それを見ると建築家側の気持ちはとてもよくわかるし、邑楽町の手続きも納得できるものである。結局「やめるならやめるとひとこといってくれればよかったのに」といいたいがために訴訟をしているような感じである。まあ、たぶん建築家たちは負けるでしょう。訴訟というのは社会に問題提起する上でどの程度武器になるものなのだろうか。問題提起したい気持ちはわかるが訴えても結局裁判所の中の嵐であって外の人には何があったかさっぱりわからない。それでも残された手段が訴訟しかなかったのだろう。今その庁舎周辺を毎日散歩しているが、どっちが正しいかは別として今建っている庁舎でよかったと思う。コンペの庁舎は平屋なので土地がうまってしまう。今の庁舎は3階建てなので庁舎以外に駐車場も多くとれるし空間的に気持ちがいい。同様にコンペで建てた富広美術館の不具合も聞こえてくるし、こういうものは新しいものより実績のあるものの方がいいと思う。訴訟は残念だが邑楽町のタワー周辺は本当にいいところになっていると思う。