「コスプレ」

コスプレとは通常はコスチュームプレイの略でいろいろな服を身に着けて遊ぶことを指すと思うのだが、この本はそういうコスプレについて解説しているのではなく「制服」について歴史とかデザインとか業界の性格とかを取材し解説している。最後に日本人にとって制服はコスプレだという結論になるのだが、その説得力は弱く、やはりこの本にまじめに題をつけるならコスプレは間違っているだろう。私が高校のころ制服反対運動とかやっていたやつがいて彼は先生にどんなに注意されても私服で登校していた。だからといってペナルティがあるわけではなかったがだからといって追従する者もほとんどいなかった。観念的には制服制度はなくしてみだしなみについて自分で責任を持つべきだろうと思っていたが自分の個人的な都合でいえば制服は着てれば文句を言われないので楽だしいい制度と思っていた。でもゆくゆくは高校の制服はなくなっていくだろうと思っていたのになんと30年たった現在でも高校制服は健在である。それどころかリクルートスーツやお受験ママまで擬似制服化してきている。これだけ世界が情報化し交流が深まっても日本人の制服好きな性格はますます極まってきているようである。そして挙句の果てコスプレが市民権を持つようになりメイド喫茶などがおおはやり。面白い国である。

本の題名が「コスプレ」だけではまったく特定できないようなのでちゃんと書いておこう。
「コスプレ なぜ日本人は制服がすきなのか」三田村蕗子著