「浮体式風力発電で代替燃料を創る」


本ではなく、ネット上の論文。
http://www.jrtt.go.jp/business/research/seika/data/h18-03.pdf
日本近海の洋上に風力発電所を浮かべ、メタンを製造するものである。砂漠に太陽光発電所を作るよりは近いしやっぱり太陽光発電は高いのでこちらのほうがコスト的にも有利。自然エネルギーの弱点は出力が安定しないことである。北海道には風力発電がたくさんあるが、風のふかない日はすべて0という日もあるそうだ。つまり風力発電所がいくら多くてもそれと同じ分通常の発電所も作る必要がある。そうすると設備費が倍かかりコスト的には非常に不利である。自然エネルギーで水を分解して水素を作り、CO2と反応させてメタンを作るというのは自然エネルギーの弱点を補完するいい方法と思う。この論文では水素化に80%、メタン化に99%の効率と言っている。論文をもとに計算すると1m3あたり60円くらい。コスト的にもそれほど遠い話ではなさそうだ。

上記コストは単純に建設費をメタンの量で割ったものだがメタン製造にはCO2が必要でCO2回収は1tあたり1万円程度かかるそうなのでそれを計算に入れると80円くらい。維持費が毎年建設費の1%かかるとすると100円くらいの計算になる。それでも東京ガスの家庭用価格より安い。業務用は70円程度なのでやっぱり高いことになるが太陽電池よりはましだろう。とにかくちょっとお金をかければ方法はあるということである。

今回の給付金2兆円をこの方法につぎこんだらどの程度CO2削減になるだろうか。1ユニット45億円ということなので50億円とすれば400ユニットできる。1ユニットで使用するCO2量は年間4600tくらいなのでまあ5000tとして400ユニットでは200万トンのCO2削減となる。建築主体に国が半額補助する方式だと倍の400万トン。前に検討した太陽電池太陽熱温水器の半額補助とまあ同規模である。特に有利なわけではないが太陽電池は電気、太陽熱温水器はお湯、この風力発電ユニットはメタンを供給するのでそれぞれ使い分けて行ければよいだろう。