「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」


面白い本である。特に何の理由もなく裁判の傍聴をするという趣味(この人の場合は職業ライターなので取材ということになるが)をはじめてみたという手記である。有名裁判では傍聴席が抽選になることもあるがたいていの裁判には傍聴人はほぼいない。しかし裁判には原告や被告、検察官や裁判官、弁護士の人間性が詰まっている(とは限らないのだがそういうふうにとらえることができる例を紹介している)。やはりどんな道にも先人というのはいるもので同様(?)に裁判傍聴を趣味(?)としている人たちがいてそういう人と知人になることもいろいろな情報が得られて楽しいものである。女子高生が学習の一環だかで大量に傍聴にくることがあるらしく、そんなときは検察官も弁護士も裁判官も意識してか無意識かは不明だが明らかにハッスルしちゃうようであるらしい。どうも裁判傍聴なんて趣味が悪いと思いがちだがどうしてどうして検察官や裁判官の刺激にもなりなかなか高尚な趣味といえなくもない。無料だし。