「マイケル・ムーアへ」


映画「華氏911」などをみた兵士や家族がマイケル・ムーアに送ったメール集。マイケル自身は前書きを書いているだけであとはほんとにメールだけである。時期はブッシュが再選される直前である。特にイラクに駐留しているか、その経験のある兵士のメールはイラク戦争の実態を知る上で興味深い。日本占領のときとは比べ物にならないくらい適当にやっていたようだ。こんなやり方をしていればイラクの人々が怒るのももっともだと思っている人が多い。大量破壊兵器が見つからなかったことにもみんないらだっている。この戦争には意味がなく意味のない死をいやがっている。日本は真珠湾を奇襲したのだから実質はどうあれ明らかに脅威であった。しかしイラクの脅威はなかった。イラク人がアメリカを攻撃してくるのは自国を侵略したものに対する当然の行為である。それがわかっていながらイラク人を殺さなければならないのだ。その苦悩はおそらく日本と戦った兵士よりはるかに深い。アメリカの兵士も卵なのだ。壁はブッシュである。その壁を作り出したのはアメリカであることは明白である。その壁と戦うにはやはり卵同士で叩き合うことになるのだ。なんと悲しいことだろう!