「資本主義はどこまで暴走するのか」


森永卓郎吉田司の対談。どうも吉田司という人とは私は合わないようであまり面白くない。しかしこの人たちのいっていることは世間でいわれていることとあまりにも違うのでこれほど見方が正反対になるものかと唖然とするところがある。世の評論家たちは仕事がなくなると困るので国策に沿ったことしか言わない、そうでない人はテレビに出してもらえないらしい。だからこういう珍しい意見はテレビなどでめったに見なくなるのだ。日本には朝日新聞という国策に基本的に批判的な大新聞が存在する。私は朝日の主張には賛同するものではないし、実際にとっているのも読売だが批判的な論調を常日頃から行っている大新聞があるというのは社会の健全化にとっていいことであると思う。アメリカのテレビなどは戦争といえば応援するもので批判するようなところはないらしい。だからアメリカで反戦はかなり言い難いものであるようなのだ。だから朝日があるおかげで日本はだいぶものが言いやすい社会になっていると思っていたのだがそれでも森永卓郎など、国策に沿わず受けない意見の持ち主は干されてしまうようなのだ。こういう状況はテレビをみるわれわれにとっても見比べる対象が減るわけなのでこまったことである。もちろんこの本の主張が正しいとも限らないのだが、というかこの本が正しくないことを祈り、この本のいうようにワーキングプアとなってしまった人が事態打開のために戦争を望んでいってしまわないことを祈る。