記者クラブ問題


民主党は「政権をとったら記者会見はオープンにします」といった。つまりこれまでの記者会見はオープンではなかったということだ。じゃあ、誰に対して記者会見していたのかというとそれが記者クラブである。記者クラブとは全国紙5社、全国ネット放送局6社、通信社2社、地方紙3社の合計16社で構成するものだ。それ以外のたとえば上毛新聞とかは自社で取材することはできず、時事通信とかのニュースを転載するしかなかったのである。この制度、権力者側からみれば変な取材者につっこまれなくてすむし、記者クラブに対して多少の取引もできる。記者クラブから見ればほぼ自動的に情報が流れてくるので取材の苦労をせず楽に仕事ができるし、クラブ外の他社に対して優越した立場が維持できる。お互いにとってとてもよい制度である。しかしその結果権力に対して誰も突っ込まなくなる。突っ込んでクラブをはずされたら大変だからである。結局マスコミは権力者の情報垂れ流し機関と化し、権力者の監視や批判能力はオブラートに包まれてしまうのだ。まさしく前時代的な後進的な制度である。これを民主党はオープンにすると言ったのだ。しかしオープンにすると、これまでオブラートに包まれた監視、批判能力が顕在化し、マスコミの民主党総攻撃が始まらないとも限らない。実際に首相記者会見ではオープンとならず、ネット上で公約破りとの批判が流れ出している。確かに与党となってしまえばその他の公約実行のために記者クラブ温存したくなる気持ちも出てくるかも知れない。民主党が公約を守るかどうか注目である。