武士は食わねど高楊枝政権


民主党二酸化炭素25%減を公約した。円高も容認し輸出産業より内需拡大を目指す方針である。公共事業は削減し、母子加算手当復活など低所得者に手厚い保護を目指すことになる。そうするとこの先どうなるか。少子化、人口減の状態で内需に頼れば成長は難しい。二酸化炭素を大量排出する大工業や輸出産業は発展途上国に拠点を移し、国内では失業率があがり、成長率は下がり、公共事業も減るので景気は後退し収入は減り、儲かる人は少なくなる。日本は経済大国の座から滑り落ち、経済的には平凡な国になってしまうだろう。ただし収入は減っても手当のおかげで食っていくことはできるかもしれない。また結果的に二酸化炭素25%減ができることになるかもしれない。儲かることはないかわりに食うに困ることもなく、贅沢はできないが、将来の心配も減り、つつましく地味な暮らしとなっていくのかもしれない。国民はそういう選択をしたということだ。江戸時代の武士は身分も名誉もあったが、物価が変動しても石高は変わらず生活は貧しかった。食えなくても高楊枝を加え、やせ我慢しながら知識や文化をはぐくみ名誉を大切にした。これから日本はそういう国になっていくのだろうか。経済的には後退しても国家の品格を高めていくのだろうか。自国を誇りに思う人の割合が日本は33カ国中最下位だとか、鳩山さんの25%減のスピーチを聞いて国連の日本人職員が胸を張ったなどの話を聞くとそんなことを考える。