プラグインハイブリッド

来年にもプリウスプラグインハイブリッドが発売されるようだ。300万円くらいという。5kWhの電池を積み、その7割の容量で23kmぐらい走るようだ。ちょうど自分の通勤往復と同じくらいだからおとなしく走れば電気だけで通勤できそうだ。さて、これで燃料費はどのくらい浮くのだろうか。3.5kWhの電気は84円。普通に23kmをガソリンで走ると115円。その差は31円。10年間毎日1回は23kmをEV走行するとして10年で浮くお金は11万円。たいしたことはない。電気を深夜電力が安い契約にすれば3.5kWhの電気は28円。するとガソリンとの差は87円。10年で浮くお金は32万円。それにしてもEXとPHVの差は110万円にもなるわけだから費用対効果はない。通常の車とハイブリッドの差は劇的だがHVとPHVの差はそうでもない。やっぱり現在の最適解はプリウスEXかフィットハイブリッドであろう。
 ところでCO2削減の観点からはどうなのか。23kmであればガソリン1Lぐらいで走れる距離である。3.5kWhの電気は発電所では12kWh程度のエネルギーを使って作られている。これはガソリン1.2L程度の発熱量。つまりガソリンは電気にするよりプリウスに直接食わせた方が効率がいい。電気は原子力でも作っているからCO2は少ないと誰かが言いそうだが、前にも指摘したようにCO2を減らすのは原子力発電所の増設であってPHVプリウスを増やすことでは減らない。もちろんマクロでみればPHVプリウスが増えて深夜電力の需要が増えれば原発の増設がしやすくなりCO2が減るトレンドが作られるとはいえる。しかし原発が増えるまでの間はPHVにして効率が悪くなった分だけCO2は増える。しかも電池は環境負荷が高いといわれている。PHV化は何もいいことないのではなかろうか。