読売新聞の釈明記事

うちが読売をとっているので出張時などには読売はめったに読まないのだが、今日の朝はたまたま読売しか残ってなかったので読んでみると面白い記事がのっていた。何かというと、小沢会見で読売新聞の記者が他のジャーナリストとけんかになったことの釈明記事である。なんと1面使っているのだ。ネットを見る人ならば何が起きたかは知っているだろう。記者クラブでない自由報道協会というところが主催した小沢会見で一人一問でお願いしますと司会者が言っているのに読売記者が司会者の制止を聞かずに質問し続けたというものだ。釈明記事であるが、釈明になっていない。何が起きたか知らない人がその記事を読んでも何が起きたかわからないからだ。わからないが記者の言い分や他の読売記者の擁護の文などが載っている。いくら言い分がわかったところで客観的状況がなければ読者には判断できない。結果的にこの記事は記者クラブでない自由報道協会主催の記者会見というのがあるとか、小沢元代表がそういったところには記者会見をしているとか、いってみれば記者クラブメディアへの不信が世の中にあるよということを知らなかった人に知らせるような記事になっている。ネットを見ずに新聞やテレビしか見ない人は自由報道協会なんて接するチャンスもないことだろう。そんなのをわざわざ知らせる記事など記者クラブメディアは書かないものだ。読売はそれをあえて書いた。なぜだかはわからない。ネット世論を無視できなくなったのか、自由報道協会を無視できなくなったのか、あるいは読売自身が記者クラブを批判的に見ているのか、それとも単に釈明したかっただけなのか。日本で遅れている分野は地域独占の電力会社だけではない。記者クラブ独占の報道機関もそうである。この記事の動機はわからないが、とにかくこういう記事がでたというのは評価できることであり、これを機に日本的な報道から世界に通用する報道へ脱皮するような議論が始まってくれないかなと思う。