「借り暮らしのアリエッティ」

テレビで放送されたのを見た。絵がとてもきれいでそれだけでも見てよかったと思わせる。小人の物語だが重要な小道具としてドールハウスが出ており、うちの彼女がドールハウス作家なので興味を持ってみた。もちろんうちのは家具職人が作るようなものではないのはいいうまでもないが。物語の方は児童文学らしく平易というか展開が少なくあまり面白くはない。しかし世界観はあるので見て損な気はしない。さて、空想科学読本を参考にアリエッティについて考察をしてみよう。まず身長であるが、イギリス製のドールハウスがちょうどいいと言っている。イギリスのドールハウスの標準縮尺は1/12なのでつまりこの一族の身長の平均は人間の1/12、人間だったら身長156cmの女性なら身長13cm程度ということになる。さて、体をつくる物質の比重が人間と同等とすれば、その体積は身長の三乗に比例すると思われるから体重は人間の1728分の1。約30g程度ということになる。ところで彼女らがもつ筋肉がやはり人間と同等なものであれば、筋肉が発する力はその断面積に比例するらしい。つまり身長の自乗に比例するから持つ力は人間の144分の1。144分の1の力で1728分の1の体を動かすわけだから運動能力は人間の12倍である。身長が12分の1だが運動能力が12倍ということはつまり運動能力は人間と同じということかな。飛ぶ距離も走るスピードも人間と同等というわけだ。お母さんがビンのなかで飛び跳ねるシーンがあったが、人間の垂直跳びでは40〜50cmは飛べるだろうから、運動能力が人間と同等なのだから実はまったく問題なく飛び出すことができる。本人もたんすを登ったりするのに釣り針を使ったり苦労していたが、実は人間で言えばスパイダーマン程度には問題なく飛び跳ねることができるのだ。さすがのジブリもそんな計算はしなかったようだ。

借りぐらしのアリエッティ [DVD]

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