東京電力福島原子力発電所における事故調査検証委員会中間報告

ここのページで公開されているのでとばしとばし読んでみた。
http://icanps.go.jp/post-1.html
1号機の非常用復水器というのがあって、非常時にはこれで8時間ぐらい冷却できるはずだったのだが、実際には停電と同時に自動的に4つある弁が全てしまり、しかも内側の弁2つは手動で開けることができない構造だったようだ。つまりお手上げ。なので即刻代替注水を行わなければならなかったのだが、誰も(制御担当者も吉田所長も東電本店も保安院も官邸も)それに気がつかず、メルトダウンするがままであったようである。2,3号機は隔離時冷却系が動いていたのだが、その状態では圧力容器内は高圧で、海水注入をする場合には消防ポンプになるのでまず圧力容器の弁をあけて減圧する必要があり、そのため冷却系がとまるのを待っていたようであるが、とまってから減圧し、海水を注入するのは電源喪失下ではなかなかうまくいかず、そのため時間がかかってメルトダウンしたようである。また、海水注入系を準備する際に、想定していない動作なので誰が担当するのかはっきりせず、だれも着手しなかったということもあるらしい。なお東京電力側で廃炉を恐れて海水注入を躊躇した事実はないようである。とにもかくにもこのような全交流電源喪失という事態を東電はまったく想定しておらず、手順書もなにもなかったのでなにをするにも時間がかかった。また、津波が想定を超えた場合の検討もなにも行っていなかったし、津波が想定を超えた場合の対策も何もやっていなかった。いかに日本の原発関係者がなにも考えていないかがよくわかる報告書となっている。なお爆発の原因について報告書は明確にしていないが、先日のテレビ朝日ではベントの際に配管がつながっていた建屋換気系を逆流して建屋内に水素が入ったのではないかといっているが納得できるものである。2号機はベントがうまくいかなかったため格納容器が損傷して放射能が噴出したようである。